ウールラグのお手入れ方法

ウールラグのお手入れ方法

ウールラグは、その自然素材ならではの特徴と高い耐久性で、多くの人々に愛されています。
しかし一度汚れたら、洗えないという印象があるかもしれませんが、意外と簡単です。
この記事では、ウールラグの特徴とお手入れ方法についてご紹介します。


ウールラグの特徴

ウールラグは、夏は床の熱を遮断して涼しく、冬は冷気を防いで暖かさを保つため、オールシーズン快適に使用できます。
ウールは湿度を約60%に保つ性質があり、この湿度は人間にとって快適な環境といわれています。
つまり湿度の高い梅雨や夏でもウールラグは、快適な空間を作り出す効果があります。

さらに構造的にもその快適さに影響しています。ウールは温かさを保ちながら内部の湿気を逃がすように設計されています。
吸湿性のある皮質がスケールの隙間から水蒸気を吸収・放出することで、部屋の湿度を調整しているのです。

またウールラグは耐久性が高く、柔らかさと色持ちの良さも兼ね備えています。品質や性能は産地や羊の種類によって異なり、例えば寒冷地の羊の毛はコシが強く、温暖な地域の羊毛は滑らかで柔らかい特徴があります。
これにより、使用場所や用途に応じて最適なウールラグを選ぶことができます。


ウールラグのお手入れ方法

毎日のお手入れ方法

ウールラグは、毎日のケアとして掃除機をかけるだけで十分です。
週に1〜2回、しっかりと掃除機をかけることで、ダニのエサとなるホコリや皮脂、食べカスなどを除去できます。
特に、パイルが深いウールラグの場合は、パイルの根元までしっかりと吸い取るようにしましょう。

掃除機をかける際は、毛の流れに沿ってかけると効果的。

購入直後は遊び毛が出ることがありますが、これは天然繊維であるウールの証で、掃除機をかけ続けることで落ち着いていきます。
遊び毛が出ることで、より強い繊維だけが残り、ラグの色合いや風合いが増します。

【手順】

  • パワーは弱めで、優しくかける。
  • 一平方メートルあたり20秒程度を目安に、しっかりとかける。
  • 毛並みと逆方向に毛を逆立てるようにしてかける。
  • なるべく回転式ブラシなどが付いていないヘッドを使用する(ラグの毛を巻き込み繊維を痛めることがあるため)。
  • 端やフリンジ部分はほつれ防止のため避ける。
  • ラグの裏や床面も忘れずに。

掃除機がけは、ラグの毛を立ち上げ、ふんわりとした風合いを維持することにも繋がります。また粘着クリーナー(コロコロ)やブラシを併用すると、掃除機では取れない毛や汚れも取れます。特にペットがいる場合は、必要に応じて使うと良いでしょう。


ウールラグの染み抜き方法

水性汚れの場合

元々、ウールは油分が含まれ水を弾く性質があります。
もし飲み物をこぼしてしまっても、染みになる可能性は低いですが、すぐに対処するようにしましょう。

【手順】
1. 余分な液体を取り除く
    汚れた部分に紙タオルや布を押し当てて、余分な液体を吸い取ります。こすらずに優しく押し当てるのがポイントです。

2. 水で薄める
    水性の汚れは、少量のぬるま湯を含ませた布で薄めると効果的です。汚れの外側から内側に向かって、優しく拭き取ります。

3. 専用の洗剤を使用する
    ウール用の中性洗剤を少量含ませた布で、汚れをたたくようにして取り除きます。
    その後、洗剤が残らないように、きれいな水を含ませた布で拭き取ります。

4. 乾燥
    風通しの良い場所で自然乾燥させます。直射日光や強い熱を避けてください。

どうしても気になる汚れや匂いが付着してしまった場合は、市販のクリーナー等も使用できますが、
製品によって使用できる素材や注意点が異なります。使用前にテストするようにしましょう。

油性汚れの場合

油性の汚れは、油や脂肪分を含む汚れです。例えば、食用油や化粧品などが該当します。

【手順】
1. 余分な油分を取り除く
  汚れた部分に紙タオルや布を押し当てて、余分な油分を吸い取ります。
  優しく押し当てるのがポイントです。

2. 専用の洗剤を使用する
    ウール用の中性洗剤や油性汚れ用のシミ取り剤を使います。
    洗剤を少量含ませた布で汚れをたたくようにして取り除きます。優しくたたくのがポイントです。

3. 水で洗い流す
    洗剤が残らないように、きれいな水を含ませた布で拭き取ります。
    その後、乾いた布で余分な水分を吸い取ります。

4. 風通しの良い場所で自然乾燥させます。直射日光や強い熱を避けてください。


お手入れのヒント

風合いを復活させる方法

ラグのふわふわとした風合いを復活させるためには、2つの方法があります。

【ブラッシングをする】
ペット用ブラシや手でラグのパイルを立て直すことで、風合いを蘇らせることができます。
気になる部分を蒸しタオルで湿らせ、霧吹きなどでヘタリが気になる部分を湿らせておくことも良いです。

【ドライヤーを当てる】
指先でカーペットのへたりをつまみ上げ、毛を立たせます。
ドライヤーも使って、毛を立たせるようなイメージで温風を当てていきます
近づけ過ぎず、高い場所から当てていきましょう。
高温やターボ機能などを使うと、カーペットそのものが傷んでしまうため、弱風や低温モードがおすすめです。

折り目のケア

ラグが梱包状態によって、折り目がつくことがあります。
通常、ラグを広げると、1~2 週間以内に折り目は消えます。

それでも元に戻らない場合、ラグの折り目を直す方法は2つあります。

1.【凹み部分を踏む】
ラグについた凹みの部分を踏み、体重をかけていきます。
即効性はないですが時間の経過とともに平らになっていきます。
繊維が元の形に戻りやすくなる効果があります。

2.【湿らせた布で表面を拭く】
繊維が湿気を吸収し、柔らかくなることで凹みが目立たなくなります。

<手順>

  1. ぬるま湯で布を湿らせます。布があまり濡れすぎないように注意します。
  2. 湿らせた布を凹みの部分に置きます。
  3. 数分間、そのまま置いておきます。
  4. 布を取り除き、軽く手で繊維を立て直します。
  5. 必要に応じて、このプロセスを数回繰り返します。

ラグの摩耗を保つ

一度お部屋にラグを敷いたら、よく踏むエリアや光が当たりやすい箇所が固定されがちです。
均等に摩耗を保つために、半年〜1年の間にラグを回転させましょう。

ラグの匂い

ラグを開封後、匂いが発生することがあります。染料、糸、密封された包装で長距離輸送されていることが主な原因です。
しかし、輸送用包装から取り出すと、ほとんどの臭いは 1 週間以内に消えます。

ウールラグの保管方法

ウールラグを保管する時は、風通しがよく高温多湿ではない場所に収納しましょう。基本はロール状で寝かして保管します。
保管前には掃除機などでほこりや汚れを取り除き、お天気が良い日に日陰干しをして数時間乾燥させます。
その後、折り目やシワにならないようにラグマットを丸めます。
その際に新聞紙をはさむと、吸湿効果が期待できるのでおすすめです。


やってはいけないお手入れ方法

ウールラグのお手入れで避けるべきことをまとめました。

1. 強力洗剤や水を過度に使用しない
ウールラグには優しい洗剤や天然成分の洗剤(例えば、薄めた酢など)を使用してください。
強力な洗剤は繊維を傷める可能性があります。さらに水分を過度に吸収してしまうと
乾燥に時間がかかり、カビが発生する可能性があります。
洗剤や水は適量を使用し、ラグが湿らないように注意してください。

2. 力を入れすぎない
過度な掃除はウールラグの繊維を傷める可能性があります。
例えば、汚れをとるとき強い力で擦らないようにしましょう。

3. ドライクリーナーや粉末クリーナーを使用しない
ドライクリーナーや粉末クリーナーの粉末が繊維に詰まる可能性があります。
代わりに、軽い液体クリーナーを使用しましょう。

4. スチームクリーニングを避ける
スチームクリーニングはウールに負担をかけるだけでなく、過剰な水分が原因でカビが生える可能性があります。
ラグのお手入れに自信がない場合、クリーニング店へ相談しましょう。


使い続けたいウールラグ

ウールラグは、その自然な美しさと心地よい触り心地が魅力ですが、汚れにくい点も魅力的です。
年に一度は丁寧なお手入れをすると、その魅力を長く保つことができるでしょう。

RUGHAUSでは質感にこだわったラグをたくさん取り揃えています。
あなたの空間にふさわしい一枚をぜひ見つけてみて。