オリエンタルラグとは中東・アジアで作られたラグを総称します。
これらのラグは空間に一枚敷くだけで華やかで彩りを添え、お部屋の雰囲気をアップグレードします。
この記事ではその魅力をご紹介します。
オリエンタルラグとは
オリエンタルラグとは、一般的に東洋やアジアで作られたラグが作られた敷物を表すために使われる用語です。
主にトルコ、イラン、アフガニスタン、インド、チベットを指しますが、広範囲にわたって表すので幅広い文化と宗教が含まれています。
オリエンタルラグを探すとき、ペルシャ絨毯のように植物や動物のモチーフを多用した華やかなデザインを思い浮かべるかもしれませんね。しかし地域によって異なるスタイルやデザインになります。
これらのラグは職人によってほとんど手作業で織られ、ウール、シルク、またはコットンなどの天然素材が使われることが多いです。
オリエンタルラグのすべてのパターンには、元々の生産地の伝統および文化的地域を表す意味のあるシンボルが含まれています。
一つ一つが個性的で、部族の繁栄や民の健康などを表しています。
トライバルラグの魅力
オリエンタルラグを語る上で絶対に外せないのがトライバルラグです。
トライバルラグとは、オリエンタルラグの中でも、民族・部族的特徴が比較的強く現れたものです。
英語で「部族の」という意味を表す「トライバル(tribal)」。
一般的にトルコやイラン、アフガニスタンなどの国々で暮らす少数部族の人たちが、自分たちの家庭で織った、毛足が長い絨毯のことをさします。
トライバルラグは工房や工場などで販売目的で作られた絨毯とは違い、家で使うために織った絨毯なので、古いものだと1940年代、新しいものでも20年以上前に織られた、アンティークやヴィンテージのオールド絨毯が多い点が特徴です。
トライバルラグとヴィンテージラグは、どちらも時間を超えて受け継がれた文化的な遺産としての価値があります。
トライバルラグは、家庭や日常生活の中で織られ、独自のパターンや色彩が特徴です。これらのラグは、ヴィンテージとしての価値がさらに高まり、インテリアとしての役割を超えて、その土地の歴史や文化を伝える役割を果たします。
トライバルラグを細分化するとバルーチ、シラーズ、ギャッベ、トルクメンに分かれます。
バルーチ族の深い青と赤の色使い、シラーズ族の動物や植物のモチーフ、ギャッベ族の自然な色合いと抽象的なデザイン、トルクメン族の赤を基調とした幾何学模様など、それぞれの部族が持つ独特の美意識が表現されています。
代表的な部族
トライバルラグを織る地域はいくつかあり、代表的な部族をご紹介します。
【バルーチ】
イラン、アフガニスタン、パキスタンのバルーチスタン地域で作られています。
深い青と赤の色使いが特徴。幾何学的なパターンや民族的なモチーフが一般的。
【シラーズ】
イラン南部のシラーズ地域で作られています。
堅牢で素朴な作り。動物や植物のモチーフが多用される。
【ギャッベ】
南西イランの遊牧民族によって作られ、
厚手で柔らかく、自然な色合いと抽象的なデザインが特徴。
遊牧の生活を反映したモチーフが見られる。
【トルクメン】
中央アジアのトルクメン族によって作られる。
赤が基調の色。繊細な幾何学模様と独特の象徴的なデザイン。
トライバルラグは、その歴史的価値や唯一無二のデザインから、ヴィンテージラグとして高い評価を受けています。
彩り豊かなオリエンタルラグ
ここまでご紹介したように、オリエンタルラグは、その鮮やかな色彩で知られ、空間を一気に華やかに変えます。
さらにラグにデザインされる文様は、特定の意味や象徴性を持ち、見る人に深い印象を与えるでしょう。
伝統的な染料と複雑な織り方が組み合わさることで、ただの家具を超え、芸術作品のような存在になります。
ラグは経年経過を楽しむことができ、私たちの生活に馴染む様子に愛着が湧きます。
ラグは、その美しさとともに、職人の伝統や文化を教えてくれるひとつの異文化交流ツールともいえるでしょう。
バルーチからトルクメンに至るまで、トライバルラグの各種類は、それぞれ独自の物語と魅力を持っています。
インテリアとしての役割を超え、その土地の歴史や文化を伝える手段として、多く人々を魅了しています。